家族の介護をしながらできる副業|中断できる仕事の選び方と、先に確認したい制度
家族の介護をしながら収入を増やしたい、という相談は少なくありません。ところが副業の情報は「まとまった時間を確保できる人」を前提にしたものが多く、介護をしている人の状況には合いません。この記事では、細切れの時間でも成立する仕事の条件と、始める前に確認しておきたい制度を整理します。
1. 介護中の人が副業でつまずく点
介護をしながらの副業は、時間が足りないというより「時間の形が違う」ことでつまずきます。合わないのは本人の頑張りが足りないからではありません。
- ✓予定が立たない:通院、体調の変化、急な呼び出しで、いつ手が空くか決められない
- ✓細切れになる:20分空いて中断、また30分、という形になりやすい
- ✓家から離れられない:外に出る仕事は選択肢から外れることが多い
- ✓気持ちの余力が読めない:時間があっても、集中できる日とできない日の差が大きい
2. 「中断できるか」で選ぶ
職種そのものより、中断してもやり直しにならないかどうかで選ぶと失敗しにくくなります。次の条件を満たすものを探してください。
- ✓1回20〜30分で区切れる(途中で止めても続きから戻れる)
- ✓納期に幅がある(「今週中」「10日以内」など、時間帯を選べる)
- ✓電話や打ち合わせが不要で、やりとりが文字だけで完結する
- ✓その場での対応が要らない(即レス、ライブ、シフト制ではない)
- ✓在宅で完結する
3. 逆に、避けたほうがよいもの
次の形は、介護の状況と噛み合いにくく、途中で抜けられなくなりがちです。
- ✓曜日や時間が固定されているもの
- ✓集中が途切れると最初からやり直しになるもの
- ✓自分が休むと相手に穴が空くもの
- ✓初期費用や在庫を抱えるもの(資金と保管の余裕がないことが多い)
4. 先に確認したい制度
副業を探す前に、使える制度がないかを確認しておくと、そもそも副業をしなくてよい場合があります。介護をしている人が利用できる主な仕組みは次のとおりです。
- ✓介護休業:対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取得できる
- ✓介護休暇:年5日(対象家族が2人以上なら年10日)。時間単位でも取得できる
- ✓介護休業給付金:雇用保険から、休業開始時の賃金日額のおよそ67%が支給される
- ✓短時間勤務や時間外労働の制限など、勤務の形を変える制度
5. 給付金と副業収入の関係は、必ず先に確認する
ここは注意が必要です。介護休業給付金には、休業期間中の就労日数や収入について要件があります。副業で働いたことによって、受け取れる額が変わったり、支給の対象から外れたりする場合があります。
扱いは個別の事情によって変わるため、記事の情報だけで判断せず、休業に入る前にハローワークへ確認してください。あとから返還を求められる事態を避けられます。
6. 会社の副業規定
就業規則で副業がどう扱われているかも先に見ておきます。「原則禁止」「許可制」「届出制」など会社によって異なり、許可制なら事前の申請が必要です。
また、本業も副業も雇用契約の場合、労働時間は合算して考えることになっています。介護で体力を使っている時期に労働時間を積み増すのは、健康の面でも慎重に判断したいところです。
7. 自分の時間を先に取り分ける
介護をしている人にとって、副業の一番のリスクは収入ではなく、自分の余力が尽きることです。空いた時間をすべて仕事に充てると、休む時間がゼロになります。
先に「削らない時間」を決めてしまうことをおすすめします。睡眠、食事、自分が一人になれる時間。残った時間の中でできる範囲を副業に当てる、という順番にすると続けやすくなります。
8. 記録を残しておく
細切れで働いていると、実際にどれだけの時間を使って、いくらになったのかが分からなくなります。売上と経費、かけた時間を記録しておくと、確定申告のときに困らず、割に合っているかも判断できます。
本記事は一般的な情報の整理であり、個別の判断を示すものではありません。制度は変わることがあるため、最新の内容は厚生労働省やハローワークの案内をご確認ください。介護と仕事の両立については、地域包括支援センターや会社の窓口にも相談できます。
細切れの時間で働くほど、「実際に何時間使っていくらになったか」が見えなくなります。売上・経費・時間を記録しておくと、続けるか見直すかを冷静に判断できます。
副業日記で売上・経費を記録する※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービスを評価・推奨するものではありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。