副業の請求書の書き方|必要な項目とテンプレの作り方をやさしく解説
初めての仕事が終わり、いざ報酬を受け取る段になって「請求書ってどう書くの?」と手が止まる人は少なくありません。請求書には決まった様式がなく、逆にそれが迷いの原因になります。この記事では、書くべき項目と、迷いやすい源泉徴収・インボイスの扱いを、実務の順番どおりに整理します。
1. 請求書に決まった書式はない
請求書は、法律で「この用紙を使いなさい」と決められているものではありません。ExcelでもWordでも、無料のテンプレートでも構いません。手書きでも法的には有効です。
ただし、書式は自由でも「書かれているべき情報」はほぼ決まっています。抜けがあると先方の経理で処理できず、差し戻しや支払い遅れの原因になります。まずはその項目を押さえるのが近道です。
2. 最低限入れる項目
次の項目が入っていれば、ほとんどの取引先で受理されます。
- ✓書類のタイトル(「請求書」と明記)
- ✓請求書番号(自分で管理用に連番を振る)
- ✓発行日(請求日)
- ✓宛先(会社名・部署名・担当者名)
- ✓自分の氏名または屋号、住所、連絡先
- ✓取引内容(作業内容・数量・単価・金額)
- ✓小計・消費税・合計金額
- ✓振込先口座(銀行名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義)
- ✓支払期限
3. 支払期限は自分で書いてよい
支払期限の欄を空欄にしたまま送ってしまう人がいますが、ここは自分で記入して問題ありません。先方に締め日と支払日のルールがある場合はそれに合わせ、指定がなければ「発行日から30日以内」などと書いておきます。
期限が書かれていない請求書は、支払いが後回しにされやすくなります。金額よりも先に、いつ払われるのかを明確にしておくことが、結果的にトラブルを減らします。
4. 消費税とインボイス登録
副業を始めたばかりの多くの人は、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録をしていない免税事業者にあたります。この場合でも請求書に消費税を記載すること自体は可能ですが、取引先はその分の仕入税額控除を原則として受けられません。
そのため、取引先から「インボイス番号はありますか」と聞かれることがあります。登録していない場合は、その旨を正直に伝えれば問題ありません。登録するかどうかは、取引先の求めや自分の売上規模を見て判断する話で、副業を始めた時点で必ず必要になるものではありません。
国税庁の特設サイトに制度の説明と登録手続きの案内があります。判断に迷うときは、まず一次情報を確認するのが安全です。
5. 源泉徴収されるケース
原稿執筆、デザイン、翻訳、講演などの報酬は、支払う側が法人などの場合に所得税を源泉徴収することがあります。この場合、請求額から一定額が差し引かれて振り込まれます。
源泉徴収があるかどうかは取引先の処理によるため、事前に確認しておくと請求書の書き方が決まります。差し引かれた税額は、確定申告のときに精算されます。取引先から交付される支払調書や、自分の記録を残しておきましょう。
- ✓請求書には「小計」「源泉徴収税額」「差引請求額」を分けて書くと親切
- ✓源泉徴収の有無は取引先に確認する(自己判断で差し引かない)
- ✓差し引かれた額は確定申告で精算されるので、記録を保管する
6. 送り方とファイル形式
メール添付で送るのが一般的です。ファイル形式はPDFにします。ExcelやWordのまま送ると、相手の環境でレイアウトが崩れたり、内容を編集できてしまうためです。
ファイル名は「請求書_20260728_氏名.pdf」のように、日付と自分の名前を入れておくと相手が管理しやすくなります。メール本文には請求金額と支払期限を一行添えておくと、開かなくても内容が伝わります。
- ✓形式はPDF(編集できない形にする)
- ✓ファイル名に日付と氏名を入れる
- ✓メール本文にも金額と支払期限を書く
- ✓送った請求書は自分の控えとして必ず保存する
7. 控えは保管が必要
請求書の控えは、確定申告の根拠資料になります。所得税法では、帳簿や書類を一定期間保存することが求められています。青色申告か白色申告か、また書類の種類によって年数が異なるため、国税庁の案内を確認してください。
電子データでやり取りした請求書は、電子帳簿保存法の対象になります。メール添付で送受信したPDFは、印刷して紙で保管するのではなく、電子データのまま保存することが求められる点に注意が必要です。
8. まとめ
請求書は書式が自由な分、何を書けばいいのか迷います。必要な項目を一度テンプレートにしてしまえば、二回目からは日付と内容を差し替えるだけで済みます。最初の一枚に時間をかける価値があるのはそのためです。
支払期限を自分で明記すること、PDFで送ること、控えを残すこと。この三つを習慣にしておくと、報酬をめぐるトラブルの多くは事前に防げます。
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